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銃規制が進まないアメリカ。銃乱射事件は増加も銃所持の規制はなぜできない?

大野 和基

もくじ

銃乱射事件は増加傾向

アメリカでは銃乱射事件(mass shooting)がどれくらい起きているのだろうか。 mass shootingの定義は一つではないが、一般的には一つの事件で4人以上の犠牲者(死傷者)を出した場合を指している。 Gun Violence Archiveによると2019年1月1日から12月25日まで起きた数は409件なので、毎日1件以上起きていることになる。2015年から18年まで400件を超えた年はないことからみると明らかに増加傾向にある。

直接取材した2つの乱射事件

今まで私が直接現地で取材した銃乱射事件は2件。 一つは1999年4月20日コロラド州コロンバイン高校で起きた事件で、同校の生徒、エリック・ハリスとディラン・クリーボルドが銃を乱射し、12名の生徒と1名の教師を射殺し、二人は自殺した。 もう一つは2018年2月14フロリダ州パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で起きた事件である。

こういう事件が起きるたびに銃規制のムーヴメントが起きるが、特にフロリダの事件のあと起きた高校生によるムーヴメントは目を見張るものがあった。 3月24日に首都ワシントンでMarch for Our Livesという大規模のデモ行進が繰り広げられたが、事件の直後に#NeverAgainというハッシュタグがつくられ、ツイッターで全米に呼びかけられていたので、ワシントン以外でも全米のみならず全世界でデモが行われた。

このムーヴメントでできた銃規制

乱射事件が起きると直後には必ず銃規制の議論が起きるが、しばらくすると消えてしまっていた。 しかしこの高校生によるムーヴメントのモメンタムは甚大であった。 まず事件から3週間が過ぎたころ、スコット州知事は高校の名前にちなんで名付けられたMarjory Stoneman Douglas High School Public Safety Actという新しい銃規制法に署名した。

その法律では銃購入者は3日間の待機期間を必要とする。この間にバックグラウンド調査が行われ、1年以上の刑期が科されたことがあるかどうか、とかDVで有罪になったことがあるかどうか、精神障害であると診断されたことがあるかどうか、不法滞在であるかどうかなど、10項目ほどFBIのデータベースでチェックするというものだ。

アメリカ人の銃に対する意識

それでも日本からみると、甘い規制である。 ではなぜ銃規制が進まないのか、を考えるときに最も重要な要素がアメリカ人の中に対する意識であろう。 アメリカには人口100人当たり、120.5丁の銃があるのに対して、日本は0.6丁である。この差をみるとアメリカが異常であることがわかるが、アメリカから日本をみると日本が異常ということになる。

銃所持の理由はハンティング

銃規制催促団体「ブレイディ・キャンペーン」によれば、銃所持者はアメリカの人口の39%であるという。では何のために銃を所持しているのか。第一の理由が保身ではなく、圧倒的にハンティングである。

私が1979年にアメリカの大学に留学したとき大学が休みに入るたびにホームステイしたが、何十というホームステイの中で半数の家庭に銃があった。しかも銃がある家庭には1つの家庭に何丁もある。

銃所持の否定は家族の歴史を否定

最も驚いたのは両親がサンデースクールの教師をしている、敬虔なクリスチャンの家庭に何丁もあったことだ。温厚な友人だったが、一緒にリスをハンティングしに行こうと言われて22口径の銃を手に、少し練習してから山の中にハンティングに行った。

その友人に日本では銃を所持しているだけで逮捕される話をしたら、目を丸くして信じられない顔をしたが、その表情は今でも忘れられない。 銃所持を否定することは家族の歴史を否定することになると友人は言った。

つまり、どれほど銃乱射事件が起きても日本のように銃所持を禁止する法律は絶対にできないということである。

武器を保有する権利

アメリカでは合衆国憲法修正第二条で国民が武器を保有する権利を保障していることは世界中で知られている。

日本国憲法で国民が武器を保有する権利を保障されることは考えられないが、合衆国憲法でこの権利が保障されているかぎり、刀狩のように銃狩が行われることは絶対にない。

先述した、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で起きた事件で息子が射殺された、マックス・シャクター氏でさえも「私は銃所持を保障する合衆国憲法修正第二条を100%支持する」と私に明言したほどである。

つまりどれだけ民主党が銃規制の強化を叫んでも、日本のように、アメリカからみると異常な銃規制は起こりようがないということである。 一般人が合法的に銃を入手できるかぎり、銃乱射事件もなくなることはないのである。

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