自粛によるエンタメ業界の損失は450億程度。今後の対策が業界存続の鍵になるか？

新型コロナウイルスの影響によるエンタメ業界の損失は約450億円

1分でわかるニュースの要点

エンタメ業界では大規模な損失が出ている
今後関連倒産の可能性も高い
保険会社や政府の対応が鍵に

各種ライブやイベントの自粛により、エンタメ業界もかなりの損失が見込まれています。事態がこれ以上長引けば更なる関連倒産が予想され、状況が改善するか否かは今後の政府の対応内容が大きく左右すると言えます。

政府が大規模イベント自粛を要請。新型コロナウイルス感染拡大阻止へ一般参賀も中止に。新型コロナウイルスの問題で政府が大規模イベントの自粛を呼びかけています。政府専門家会議において2月下旬から3月上旬までの2週間が拡大か収束かの瀬戸際との結果が出たことによるものです。この発表を受けスポーツ界やエンタメ界では次々とイベントの中止や延期が発表されています。企業ではテレワークなどを積極的に導入し拡散防止に努めているところです。今回は新型コロナウイルス感染拡大阻止に向けた大規模イベントの自粛に切り込みます。

2月末から各地でライブやイベントなどを自粛

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため2月末から全国各地でライブやイベントの自粛が決定されています。小規模なもので対策を行った（手洗い、うがいの励行・マスクの着用・換気に留意するなど）上で開催をしているケースはありますが、大規模なものは開催時期が4月以降でも既に延期や中止を決定しているものがあります。

新型コロナウイルス対策でのイベント自粛の是非。さっぽろ雪まつりからみる感染経路。3月10日現在、新型コロナウイルス拡大防止のために、全国各地で集団によるイベント自粛が進んでいます。ただし全国休校要請やプロスポーツ開催の延期など対策が講じられる中、「意味があるのか」との疑問の声も上がっています。「拡大防止や経済停滞の観点から、イベント自粛は本当に有効な手段であるのか？」という議論・分析は、現在も続いています。

業界関係者と国会議員の意見交換会で損失報告

エンタメ業界は先行きの見えない現状に大きな危機感を抱き、中止となったイベント再開に向けての協力や経済的援助をまとめた要望書を国会に提出しました。損失額は約450億円と推定され、同時に行われた意見交換会では「売り上げがゼロで経費だけが出て行く」「延期した際には既に数年先まで予定が埋まっている会場をどうやって押さえるのか」などの窮状を訴えています。

生活のかかる業界関係者と不要不急の外出

感染拡大防止のためには不要不急の外出を避けなければならない反面、このままでは生活が成り立たなくなる怖れをはらんでいます。先行きの見えない厳戒態勢の中で経済活動は先細り、様々な業界関係者の嘆きが聞こえます。

新型コロナウイルスの影響で「不要不急の外出」を控える要請をした政府。どこまでが「不要不急」？日本政府が「不要不急の外出」を控えるよう国民に要請しました。新型コロナウイルスの拡散を防ぐことが目的です。企業にはテレワークや時差出勤を奨励しました。しかし「不要不急の外出」の定義が示されていないため、返って混乱を招いているのが現状です。新型コロナウイルスをこれ以上拡散させないためには、日本政府が強い意志をもって具体的な指針を明示することが重要だといえます。今回は「不要不急の外出」を要請する政府の姿勢に迫ります。

損失を被りながらも開催中止の決断

新型コロナウィルスをこれ以上感染拡大させないために、全国的に不要不急の外出は控えるように言われています。大きな損失が出ることは明らかでも、今強行開催して万が一発症者が出てしまった場合のリスクを考えると、中止や延期を決断せざるを得なくその胸の内は大変複雑と言えるでしょう。

このままでは関連倒産も免れぬ状況にも

新型コロナウィルス関連の倒産はインバウンド需要が激減した観光業などで既に発生しています。今は特に観光・飲食業の厳しい様子を報道などで目にしますが、このまま何の手立てもなく終息の見えない状態が長く続けば、エンタメ業界を含め多種多様な業態が破綻していくことは避けられないかもしれません。

今だけではなく今後につながる対策を求められた政府

今は終息が見えないがために想定外に長期化の様相を呈していると言えます。今後どういった対策が必要なのかを考えるとともに現状を検証します。

安倍首相が緊急事態宣言を可能とする法整備に動く。緊急事態宣言が出た際に起こりうる事とは？安倍首相が緊急事態宣言の発令を検討することをアナウンスしました。過去の例から緊急事態宣言が発令されれば、外出の自粛や休校、公共施設の利用制限が法律によって定められます。日本経済が委縮することが懸念されるだけでなく、人権の制限にあたる恐れも考えられます。いずれにしても1~2週間の感染拡大がポイントとなることはいうまでもありません。今回は新型コロナウィルス感染防止に動く安倍首相に迫ります。

保険会社が対応外の領域への対処

金融庁は顧客保護の観点から3月13日に保険会社等に関して要請を行っており、それを受ける形で各社様々な対応を発表しています。主な内容としては、貸付金利の減免・保険料払込猶予期間の延長・契約更新手続き期間の延長・保険金、給付金等の簡易迅速な支払い（書類の作成一部省略）・入院給付金の特別取扱（入院出来なかったケースの個別対応）などが挙げられます。

政府の保証次第では関連倒産が続出する可能性

日本政府は緊急対策として日本政策金融公庫による貸付保証枠（5,000億円）の設定をまずは行いましたが、相次いで中小企業を対象とした実質無担保・無利子の特別枠（5,000億円超）を新たに設定します。英国は総額3,500億ポンド（約45.5兆円）超、韓国は31.7兆ウォン（約2.9兆円）の財源を投入していまだかつてない事態に臨みますが、日本も今後の情勢によっては関連倒産の阻止のため更なる保証を迫られるかもしれません。

新型コロナウイルスの影響を受けた企業向けに融資制度が開始。観光業、製造業、卸売業は影響大。2019年12月に中国武漢から広がり始めた新型コロナウイルス（COVID-19）は、2020年に入ってから日本でも猛威を揮い始めています。その余波が観光業や製造業、卸売業を中心として売上減や仕入減などに現れています。財務省は2020年2月7日、新型コロナウイルスの影響で資金難に陥る企業への配慮を関係機関に要請しました。2月6日、財務省の要請に先立つ形で、京都市が緊急資金融資制度を開始しました。

終息が見込めぬ中どこまでエンタメ業界は耐えうるか？

どこまでこの状況が続くのか、終息の見えない中では対応措置もジリ貧となってきます。融資枠の創設以上に望まれているのは一日も早く日常が戻ることであり、大打撃を受けているエンタメ業界もどこまで耐えられるのか試練の時です。

中国で落ち込む消費とそれに伴う企業の倒産。中国企業倒産が与える深刻な影響とは。近年は中国国内の景気が縮小傾向にあります。これまでは海外企業の進出などで中国の人々の所得が高くなり、内需が拡大してきました。ただ最近は中国企業の勢いがなくなってきており、企業が倒産してしまう事態に陥っています。中国企業の倒産は国内のみならず世界中の企業に影響を与えかねません。日本にとっても中国は関わりの深い国なので他人事ではありません。