報道番組の誤報でテレビの信頼性が問われる
1分でわかるニュースの要点
-
テレビ各局ではフェイクニュースが相次ぐ
-
ネットによる指摘で謝罪に追い込まれる報道番組も
-
信頼性の低下により報道番組の在り方が問われる事態に
誤報が相次ぐテレビ局各社
テレビ番組内で説明された映像の撮影日が実際の撮影日と異なっていることがネットで指摘されています。また、インタビューを受けた医師が自身の意図とは全く逆の内容としてインタビューが報道されたことをSNSで告発しています。 他にも円グラフであるにもかかわず合計が100%を超えるデータを示すなど、客観的であるはずのデータにも過ちが指摘されています。 このようにテレビ局各社による報道では誤報が相次いでいます。
信頼性に疑問符が
メディア各社は新型コロナウイルスのような緊急事態においてこそ正確な信頼できる情報を発信することが求められています。 それにもかかわらずテレビ各社による批判のための情報探しや結論ありきの編集によってフェイクニュースが生まれています。 その結果として、googleで言葉が検索された回数を表示するサービス「googleトレンド」によると「マスゴミ」と検索される回数が直近3カ月ではその前3カ月に比べ、約1.8倍になるなど、マスメディアへの信頼性が大きく揺らいでいます。
ネット上での指摘で謝罪に追い込まれたテレビ局
5月20日に放映されたワイドナショー「バイキング」と「グッドモーニング」の2つの番組で紹介された動画が番組内での説明と実際に撮影された日付が異なることがSNSなどで指摘され、両番組が謝罪に追い込まれています。
2ヶ月前の動画を流した「バイキング」
フジテレビ系のワイドショー「バイキング」では5月17日に撮影した映像として原宿の竹下通りが混雑している様子を映し出し、危機感のない若者が原宿に集まっていると批判しました。 しかし、この映像にはマクドナルドの期間限定メニューとして4月上旬までしか発売されていなかったメニューが映っていたことから、撮影時期が実際には緊急事態宣言が出される前の映像であることがSNSなどで指摘されました。 こうした指摘を受け、バイキングは映像が実際は3月のものであることを認め、謝罪をしています。
「モーニングショー」でも2ヶ月前の画像を使用
5月20日に放映されたテレビ朝日の報道番組「モーニングショー」でも、5月19日に撮影された映像として鉄道ファンが鉄道車両の輸送を見るために千葉県の蘇我駅に集結しているという映像をが流れました。 しかし、その映像で紹介されていた鉄道車両を手掛かりに鉄道ファンから5月19日に撮影されたものではないとの指摘が相次ぎました。 こうした事態をうけ、モーニングショーではその映像が3月中に撮影されたものであることを認め、謝罪しています。
テレビ業界に存在する演出と捏造
報道番組ではフェイクニュースが流されていることがしばしば指摘されていますが、こうした番組の信頼性を低下させる行動は報道番組だけに限ったことではありません。バラエティ番組でも”演出”という名のもとにやらせや捏造が行われています。
バラエティ番組などでは”演出”が行われるケースも
2013年にはフジテレビ系のバラエティ番組「ほこ×たて」が対決の順番を編集で変更するなどの”演出”が発覚し、放送終了しています。 また、近年では2019年にはTBSテレビの「クレイジージャーニー」ではスタッフが生き物を事前に用意していたにもかかわらず、出演者がその場で見つけたような”演出”が行われ、放送終了に追い込まれています。 このように、バラエティ番組でもより番組を盛り上げるために”演出”が行われるケースが指摘されています。
報道番組のあり方が問われる事態に
これまで報道番組は公平性・中立性を謳ってきました。しかしながら、そうしたSNSなどでの個人による指摘によって報道番組の捏造が暴かれるなど、その公平性・中立性に疑問符が付くようになってきています。 視聴者による報道番組へのチェックが厳しくなっている今、報道番組のあり方が強く問われる事態に陥っています。