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グレタ・トゥーンベリさんを批判する世界各国の政治家たち。グレタ批判は賢明か?

志葉 玲

もくじ

世界の要人達を悩ますグレタ恐怖症

世界の要人達は「グレタ恐怖症」に苛まされているのかもしれない。 先月に17歳になったばかりの少女に対し、米国のトランプ大統領や、ロシアのプーチン大統領などの各国大物政治家達が、批判やら嫌味やら大人気ないとも見える発言をしている。 つい先日には、EU(欧州連語)のジョゼフ・ボレル外務安全保障政策上級代表がグレタさんを揶揄、批判を浴び謝罪に追い込まれた。 なぜ、世界の錚々たる要人達がグレタ・トゥーンベリさんを批判したがるのか。それは、彼女の影響力の大きさに加え、社会を抜本的に変革していく温暖化対策は、既得利権を脅かすからであろう。

ボレル上級代表の皮肉

欧州での報道によれば、今月5日のボレル上級代表は欧州議会での会議で、温暖化対策を求める若者達について、「グレタ症候群に掛かっている」と皮肉ったという。 また、「温暖化対策で自分たちに何を強いられるのか、そして自分たちの生活水準を下げても構わないとちゃんと認識しているのか疑わしい」とも発言したのだという。 この発言はSNSなどを通じて瞬く間に広がりボレル上級代表は、ツイッター上で「気候変動(温暖化)とたたかう若者達の重要な運動に対する私の不適切な発言について謝罪したい」と、自身の非を認める事態に追い込まれた。

トランプ大統領対グレタさん

先月下旬には、スイスで開催された世界経済フォーラムの年次総会で、グレタさんと米国のドナルド・トランプ大統領が舌戦を繰り広げる一幕もあった。 トランプ大統領は「明るい未来のためには、世界の終末を語る預言者達に耳を傾けてはいけない」と発言。 これに対しグレタさんは「各国の指導者達は”子どもは心配するな、私達が解決する”と言いますが、何もしていません」「沈黙よりも、さらに悪いことは、空虚な発言・約束です」とトランプ大統領の楽観論を否定した。

プーチン大統領もグレタさんを批判

ロシアのウラジミール・プーチン大統領も、昨年10月にモスクワで開催されたエネルギー関連フォーラムで、グレタさんについて「途上国に太陽光発電を強要するとコストはどうなるのか」「優しくて誠実な女の子だが、情報に乏しい」と発言。 一方、グレタさんは自身のツイッターのプロフィールを「優しいが情報に乏しいティーンエージャー」と書き換えた。 これはプーチン大統領の発言をなぞらえたもので、欧米メディアはグレタさんがプーチン大統領にやり返した、と大きく報道した。

世界の大物政治家がグレタさんを恐れる理由

各国の大物政治家達がグレタさんを恐れる理由としては、やはりその影響力の大きさがあるだろう。 2018年9月、母国スウェーデンの国会前でたった一人で座り込みを始めたグレタさんであるが、「私達の未来が燃えているのに、大人達は何もしてない」という訴えが、それまで漠然と将来への不安を抱えていた若者達の心に火をつけた。 昨年9月には、国連総会に合わせて世界各国で約760万人がデモや集会等に参加したのだ。 グレタさんら若者達の声は世界経済も変えつつある。 温暖化への危機意識の高まりが、パリ協定以降の「脱炭素」の流れを加速させているのだ。

再生可能エネルギーが批判の理由か

国の政府系投資ファンド、銀行、保険会社などが、石油や石炭などのCO2を排出する化石燃料関連産業からの投資の引き上げ(ダイベストメント)を行っている。 また近年、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、技術や経済性が飛躍的に向上しており、特にアジアやアフリカなど途上国・新興国で普及が進んでいる。 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によれば、2018年の時点で世界の発電容量の3分の1が再エネ由来となったという。世界的な大企業も次々と自社の使用する電力を再エネに切り替えており、グーグルやアップルは既に再エネ100%を実現している。 だからこそ、石油・石炭産業を支持基盤とするトランプ大統領や、自国の最大の輸出品が石油や天然ガスであるプーチン大統領は、グレタさんの言動に神経を尖らしているのだろう。

グレタさんを否定することは賢明ではない?

台風や水害、干ばつなどの異常気象が猛威を奮ってことからも、温暖化の脅威が既に現実のものとなっていることは多くの人々が認めざるを得ない現実だろう。 グレタさんは毎度、その演説やインタビューで強調することは、「政治家は科学者の警告を聞け」というもの。 そして、温暖化の権威とされる科学者達も、グレタさんら若者達の行動を支持する声明をまとめているのだ。 皮肉なことであるが、政治家達がグレタさんに否定的な言動をすればする程、科学的な事実を無視して既得利権にしがみついていることが、明らかになってしまうのである。

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