ドリフト族5名が逮捕
1分でわかるニュースの要点
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全国でドリフト族が問題に
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違法改造に加担した自動車検査員も逮捕
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警察による取り締まりが強化
問題となっているドリフト族
ドリフト族とは自動車や二輪車に乗って公道や港、駐車場などでドライブテクニックを披露するために危険なドリフト走行を行う者達をさす言葉です。彼らの何が問題なのでしょうか。あらためてドリフト族の問題点を整理してみましょう。
北海道から沖縄県まで全国各地でドリフト族は問題に
東京江東区の公道でドリフト走行を繰り返していた5人が逮捕されました。逮捕されたのは「Two Face」というドリフト族でリーダーは内装工の山口竜次容疑者です。彼らはドリフト用に改造した車で暴走行為を繰り返していました。 関西でも京都府の男性ら4人がユニバーサルススタジオジャパン(USJ)近くの工場地帯でドリフト走行などの集団暴走行をしたとして検挙されています。容疑は道路交通法違反(共同危険行為)などでした。 北海道から沖縄まで全国各地でこのようなドリフト族が大きな問題になっています。彼らは運転テクニックを披露するという自己顕示欲からこのような行為を繰り返しており、社会的な問題となっています。
騒音や事故の危険など周辺住民への迷惑
ドリフト走行は自動車や二輪車の走行テクニックの一つです。タイヤを横滑りしながら走行するものでハンドル、ブレーキ、クラッチなどを駆使した非常に高度なテクニックが要求されます。 ドリフト走行には騒音が伴います。ドリフト走行特有のスキール音や大きな排気音です。これは周辺住民にとって騒音被害以外の何者でもありません。 ドリフト走行は一種の暴走行為で、一つ間違えれば塀やガードレース、場合によっては建物に激突することもある非常に危険なものです。巻き込まれる恐れのある一般市民の恐怖感は察してあまりあります。
度重なる違法改造や道路交通法違反
ドリフト族に違法な車両改造はつきものです。排気音を大きくするためにマフラーを改造したり、ドリフト走行で滑りやすくするためにタイヤの取り付け方を改造するなどの行為で、これらは道路運送車両法違反になる可能性があります。 ドリフト族は普通集団で行動しますので、「複数台の自動車や原付自転車が共同して著しく交通の危険や他人に迷惑を及ぼす道路上の行為」に該当する場合が多く、これは道路交通法違反として処罰対象です。 また多くのドリフト走行は速度制限違反や急ブレーキ禁止違反、左側走行義務違反などにも問われる可能性があります。これらは集団でなくても適用されます。
自動車検査員の男性が収賄で逮捕されたことも
違法な改造車が車検を通過できるように虚偽の書類を作成し、その見返りに金銭を受け取っていたとして、さいたま市の自動車検査員が逮捕されました。 自動車検査員は「みなし公務員」として扱われますから、容疑者には収賄容疑が適用されました。これらの行為を依頼したドリフト族の方は贈賄にあたります。 逮捕された自動車検査員は5年間にわたり50件以上の不正車検に関与していたと見られています。1件あたり2万円程度の金銭を受け取っていたようです。
警察は検問の設置など規制の強化に動いている
社会問題化しているドリフト族対策に警察も規制強化に動き出しています。住民からの苦情などが多く寄せられているからです。 検問の実施はもちろんですが、ドリフト走行が目立つ場所には道路鋲という金属製の留め具を打ち込んだり、ひどい該当場所に監視員を配置するということも行われています。 ドリフト走行のような危険な行為を防ぐためには警察による取り締まりは確かに有効ですが、なんといいってもドライバーの意識向上こそが決定的に重要です。自己顕示欲に溺ず成熟した大人のドライバーを目指したいものです。