AO入試や推薦入試を目指す人が新型コロナの影響を受ける理由。文科省も配慮を要請。

AO入試や推薦入試を目指す人に向い風か

1分で分かるニュースの要点

新型コロナが入試に影響、出題範囲などが変更
学習遅れとり戻しには数年を要すか
学校関係者と生徒の負担が危惧される

一部地域の学校再開に批判が殺到。感染拡大の今優先すべきものは学びか安全か？新型コロナウイルスが未だに猛威を振るっている中、一部地域での学校再開の判断に批判が殺到しています。すでに若者にも多数の感染者が出ているため、自治体の判断に関わらず子供を学校に行かせない判断をする保護者も出てきています。

新型コロナの影響で大会や試験などが開催されず

萩生田（はぎうだ）光一文部科学大臣は今月14日の会見で、新型コロナ感染拡大の影響で部活動の大会中止や検定試験の延期により、出願書や活動報告書に結果を記載できずにいる学生に配慮し大学側に多様な選抜方法の工夫をするよう求めました。選抜試験は総合型と学校推薦総合型に分かれており、9月に予定している学校推薦総合型については11月以降に実施することも検討しています。

文部科学省が配慮をするよう通知

文部科学省は新型コロナ感染拡大の影響で、大学の選抜試験に一定の配慮が必要であるという認識を示し全国の国公立私立大学に柔軟な対応をするよう通知しました。萩生田光一文部科学大臣は14日の会見で、「選抜試験を遅らせる必要がある。大学及び高校の関係者の審議を踏まえた上で時期を定める」としています。高校入試についても休校時期が長引いたことを踏まえ、出題範囲を狭めるなどの対応を検討すると述べました。

新型コロナウイルスが与える入試への影響は？

新型コロナ感染拡大により休校が続いていた中学校に対し、高校でも出題範囲を休校の状況を鑑みて調整したり、複数の問題から選択できる方法等に工夫するとしています。また試験会場についてもアルコール消毒や小まめな換気の実施、マスクの着用や手洗いの励行を呼びかけ感染拡大の防止に努めていくとしています。

出題範囲が例年と変わる可能性

文部科学省は入学に際しては内心証書を合否判断に使う場合は、出席日数や学習評価内容で不利益ならないよう学校側に配慮するよう求めました。また地域の状況を踏まえて出題の範囲や内容、出題方法についても特定の学生が不利にならないような工夫を講じてほしいと通知しています。しかし休校が続いている学校の生徒からは、初めての入試方式に戸惑っているといった声も聞かれてきます。

終息状況次第では受験会場への影響も

受験会場では引き続き清掃や机や椅子などの消毒や手洗いとアルコール消毒、マスクの着用を推奨し、衛生管理の構築を行うとしています。また終息状況次第では個別面接や実技動画の提出などをオンラインで行うほか、大学見学のリポートもオンラインを活用するよう生徒に配慮することを求めています。

教育現場に求められる難しい対応

政府の休校要請によって学習の遅れが出ていることが問題になっており、文部科学省では複数年度で解消する方針を認めると全国の教育委員会に通知しました。授業は土曜日や夏休みなどを短縮して行う予定で、生徒だけでなく教育関係者への負担も危惧されています。

遅れを数年かけて取り戻すことを示唆した文部科学省

カリキュラムの残った生徒の繰り越し学習は卒業を控え翌年度への繰り越しが難しい小学6年生と中学3年生が優先して受けるとしています。文部科学省は教育関係者に対し、カリキュラムの遅れは数年かけて取り戻すよう示唆しました。また中学1年で残ったカリキュラムは中学2年に繰り越すなど段階的にずらす方法を取るほか、個人授業にはICI（情報通信技術＝AI）を活用して通常の時間外に限り認めるとしています。

教育関係者や生徒への負担をどこまで減らせるか？

カリキュラムの遅れを取り戻すには教育関係者や生徒への負担をどこまで減らせるかといった課題があり、各学校で様々な取り組みが行われています。基本となるのは文部科学省の示した指針で、夏休みの短縮や土曜授業を加えるといった取り組みが検討されています。学習場所も公民館や図書館を想定しており、十分な学習スペースの確保や移動中の事故などが心配されており教育関係者や生徒への負担が増えることも予想されます。

新学期の9月スタート案に現実味。学校休校する中、世界基準に合わせるメリット。小中学校で感染事例が報告されたこともあり、全国的に小中学校の臨時休校が今も続いています。臨時休校が続き、教育課程に遅れが出だしている状況を打破する解決策として、新学期9月スタート案が今、注目を浴びています。

政府が学校の再開方針を再検討へ。緊急事態宣言でロックダウンの可能性も。2月27日の首相要請を受け今月2日から始まった全国一律休校に対し、各地方自治体が春休みの延長を含め新学期を迎える4月中に学校を再開する方向で調整に入っていることが分かりました。萩生田光一文部科学大臣は26日の記者団の取材に対し、4月中の学校再開に向け準備を進めて行くと述べています。今回はコロナアショックが及ぼす学校への影響や都市のロックダウンに迫ります。