アイドルの自殺が続く韓国芸能界の闇とは。なぜ韓国は自殺者が多いのか？

自殺者が絶えない韓国芸能界の闇

韓国芸能界の自殺の多さ

ほぼ毎年のように韓国の芸能人が自殺している
芸能人の自殺の原因は韓国社会の抱えた問題にある
韓国の自殺率は世界でもトップクラスで、韓国政府も対応に追われている

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アイドルだけではない韓国の自殺者は世界でもトップクラス

憂鬱（画像：pixaboy）

日本では特に韓国の芸能人の自殺がニュースとなりますが、実は韓国の自殺者の多さは芸能人だけに限ったことではありません。韓国の年間自殺者数は日本よりも多く、世界的に見てもトップクラスとなっています。

芸能界でも毎年のように自殺者を出す

日本でよく目にする韓国の自殺報道は、ほとんどがアイドルや歌手といった韓国の芸能界のものです。韓国では日本よりも芸能人の競争が激しく、そのため本人にかかる負担が非常に大きくなるそうです。それは世界的に有名になったアイドルも例外ではありません。 2019年だけでも「KARA」のク・ハラさん、「f(x)」のソルリさん、女優のチョンミソンさんといった芸能人が相次いで自殺しています。 2018年、2017年にも俳優のチョミンギさん、「SHINee」のジョンヒョンさんらが命を絶っており、韓国芸能界ではほぼ毎年のように自殺者が出ています。

高齢者の自殺も多い

韓国の一般の自殺比率を見ると、高齢者の割合が非常に多いことがわかります。アジアにおける65歳以上の自殺者平均は10万人中約20人とされています。韓国の場合、65歳以上の自殺者数は10万人中約80人で、アジア平均の4倍の数字です。65歳以上の10万人あたりで中国の約50人、日本の約30人と比較するとその多さは歴然です。韓国の高齢者の自殺は現在も増加傾向にあり、自殺の理由は社会的不安が背景にあるとされています。

元f(x)のソルリさん

女性アイドルグループ「f(x)」の元メンバー、ソルリさんは2019年10月14日に自宅で遺体が発見されました。ソルリさんは2005年にドラマの子役で芸能界デビューし、2009年からは「f(x)」として活動していました。韓国でも有数の人気を誇るアイドルでしたが、2015年にグループを脱退して女優業に力を入れていたようです。ソルリさんはうつ病を患っていたとされ、遺体発見当日に仕事が入っていたことから、発作的に自殺に及んだようです。

元KARAのク・ハラさん

ク・ハラさんの遺体は11月24日に見つかりました。ク・ハラさんは自殺の前夜、Instagramに「おやすみ」というメッセージを残しています。ク・ハラさんは2008年に「KARA」の新メンバーオーディションに勝ち残り、芸能界デビューを果たしました。「KARA」が2016年に事実上解散してからは、事務所を移ってソロの歌手や女優業を行っていました。ク・ハラさんは2018年にリベンジポルノ被害に遭うなど、身辺でトラブルがあったようです。また、10月に自殺したソルリさんとは親友同士でした。

セカンドレイプが社会問題に。日本の性犯罪に対する法整備の現状。近頃セカンドレイプという言葉を耳にするようになりました。一度性被害に遭っただけでなく、その傷跡をえぐるような二度目のレイプが問題になっています。これは日本だけの問題ではなく様々な情報を手に入れられる時代だからこそ、早急に対処しなければならない課題でもあるのです。しかし、具体的な解決策はまだ確立していません。今回はこの「セカンドレイプ」をとりあげます。

自殺者の多さは韓国社会の問題か

韓国の自殺者数は年々増加し続けており、2018年にはOECD（経済協力開発機構）加盟国36ヶ国中トップとなり、世界でもっとも自殺率の高いリトアニアより多くなってしまいました。韓国で自殺が多いのは、韓国社会が潜在的に抱える問題に理由があるようです。

ネット上での誹謗中傷

韓国の芸能人の自殺が相次ぐ大きな理由の1つに、インターネット上における誹謗中傷が挙げられます。日本をはじめとして世界各国でも、SNSを通じて有名人を中傷するコメントは数多くあります。しかし韓国の場合はより大きな被害になっているのです。韓国ではアイドルに完璧さを求めることが多く、少しでも問題があれば、「悪プル」（悪とリプライを組み合わせた韓国の造語）で徹底的に吊し上げされることが少なくありません。その結果、芸能人達は精神的に追い詰められ、自殺に追い込まれるケースが目立ちます。

失業率や就職率の悪化も影響か

芸能界に限ったことではありませんが、韓国で自殺が多発する社会的背景には、深刻な就職・失業問題があります。韓国は1997年のアジア通貨危機以来、財閥系の大企業を除いた中小企業の経営が不安定なままです。そのため就職希望が大手に集中し、大学生が就職したくてもできないという状態に陥っています。 2018年の調査によると、15歳から29歳までの若者の5人に1人が失業者という結果が出ました。こうした就職率の低さ、失業率の高さが自殺者の増加に拍車をかけているようです。

韓国経済は危機的状態。深刻な経済現状や今後の見通しは？韓国経済が深刻な事態に陥っています。サムソングループという財閥が、韓国GDPの2割近くを占めており、その業績次第で韓国経済が浮き沈みするからです。軍事協定の破棄で日本のみならず、米国とも関係悪化が懸念されます。今回は韓国経済の危機的状況について解説します。

国をあげての施策は意味をなすのか？

韓国政府は急増する自殺者数に歯止めをかけるための施策を行っています。2018年1月23日、韓国政府は「自殺予防国家行動計画」を発表しました。自殺志願者を早期発見し、ケアを行う人員の育成などを通じて、2022年までに自殺者数を半減させるという取り組みです。韓国はこれまでにも韓国自殺予防協会の設立や、自殺対策を目的とした「自殺予防及び生命尊重文化醸成のための法律」（通称・自殺予防法）を制定してきました。いずれも一時的な減少はあったものの、抜本的な改善には至っていません。韓国の自殺の背景に社会的不安がある以上、自殺を防ぐためには単なる自殺防止に留まらないより包括的な施策が必要となってくるでしょう。