苦境に立たされる文在寅大統領
苦境の韓国文在寅政権の行方
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文在寅大統領の韓国国内支持率は50%以下
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文在寅大統領は経済政策や北朝鮮との関係改善に積極的
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GSOMIAに絡んで方針が二転三転
支持率は50%を切る
韓国の世論調査会社が実施した持率調査によると、「文在寅」大統領の支韓国国内での支持率は48.4%でした。 前週の調査から0.8%上昇して約4ヶ月ぶりに支持率が不支持率を上回ったものの、依然として支持率は50%を下回っています。支持率が上向いたのは曹国(チョグク)法務部長官の任命直前に行われた調査以来とのことです。 なお「文在寅」大統領の不支持率は47.7%でした。
韓国経済は悪化
現在韓国国内の経済は急激に失速し、苦境に追いやられています。 韓国は財閥系企業の推進により、1960年代にいわゆる「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を遂げました。 2010年前後からはサムスン電子をはじめとする半導体事業に経済を支えられていましたが、2018年の米中貿易戦争や2019年の日韓貿易紛争の影響で、半導体事業に依存する韓国経済は急速に悪化しました。
文在寅大統領の取り組み
「文在寅」大統領の重点政策は北朝鮮との関係改善と韓国国内の経済改革です。経済改革は2017年の大統領選における「文在寅」大統領の公約でもありました。 北朝鮮への姿勢と韓国の経済状況についてご紹介します。
北朝鮮との関係改善
「文在寅」大統領は北朝鮮融和派として知られており、北朝鮮との関係改善を進めています。「文在寅」大統領は2018年には板門店行った南北首脳会談で南北統一に向けた「板門店宣言」を出し、2019年の光復節演説でも2045年に南北統一をめざす構想を打ち出しました。 かつて金大中元大統領が行った「太陽政策」に準えて、この「文在寅」大統領の北朝鮮との対話と協調は「月光政策」とも呼ばれています。 一方の北朝鮮側の反応は冷ややかで、韓国のアメリカに対する対応などの八方美人的な施策を踏まえて「文在寅」大統領に反発しています。
経済改革
「文在寅」大統領は経済改革にも力を入れています。特に財閥に依存した経済構造の打破と雇用創出は、大統領選の公約にも盛り込まれるほど重視する政策でした。また経済政策の一環として最低賃金の引き上げも行っています。 ところがこの最低賃金の引き上げは、財閥系企業を除く中小企業にとっては大打撃となりました。結果的に中小企業の競争力が失われ、雇用の減少と経済の失速にも繋がりました。 経済の悪化は韓国社会の格差拡大という形で現れ、社会の先行き不透明さに不安を抱いた30代の自殺率も増加しています。
揺れるGSOMIA問題
「GSOMIA問題」は2016年に締結された「日韓秘密軍事情報保護協定」を、韓国側が破棄したことで生じた問題です。 日韓のGSOMIAは11月22日に事実上の継続が決定されました。破棄の経緯などについてご紹介します。
GSOMIA破棄の凍結
GSOMIAとは2国又は多国間で軍事上の秘密情報を共有する際に、漏洩を防ぐことを目的とした協定です。日韓GSOMIAは2016年11月の締結以来1年ごとに自動更新されてきました。 韓国の破棄通告によって日韓GSOMIAは11月23日に失効となるはずでしたが、22日午後に韓国が破棄通告の凍結を発表したことにより事実上の日韓GSOMIA継続が決定しました。