新型コロナの影響はラマダンにも
1分でわかるニュースの要点
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コロナによりラマダンもオンライン化の波
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イスラム圏ではラマダンに合わせて規制緩和の動き
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さらなる感染拡大の危険性も
各地で始まったラマダン
イスラム圏では2020年の4月23日から預言者ムハンマドが啓示を授かったとされる神聖な月であるラマダンが始まりました。 通常では、日中はモスクに集団礼拝し、日没後は家族や友人・知人と断食明けの食事を楽しむというラマダン中の儀式に、中東をはじめアジア、アフリカを中心に少なくとも16億人が参加するとされています。
集団感染の危機回避へ例年とは異なる対応
今年のラマダン中ではコロナ禍を受け、モスクの閉鎖や外出の禁止が行われるなど、感染封じ込め対策が行われています。 こうした対応を受け、テレビ会議システムを用いて指導者の言葉を流し、家で礼拝をおこなったり、ビデオ通話で家族や友人・知人と食事を共有するなど例年とは異なる対応をムスリムの人たちは迫られています。
一部の規制緩和に感染拡大のリスクは?
一部の国では政府による規制を無視して礼拝をおこない警察と衝突する騒ぎが発生したり、家族とともに過ごすことを望む人々や経済活動の制限による収入減を心配する人々からの圧力を受け、一部の国ではラマダンに合わせて規制緩和に動いています。
一部のお店などへの営業を許可
中東最大の人口1億人を持つエジプトでは外出禁止の時間を1時間遅らせ、午後9時からにするとともに、全てのショッピングモールが午後5時までの営業が可能となっています。 また、アラブ首長国連邦のドバイや、サウジアラビアでも一部の商業活動が解禁されたものの、感染者数の増加が続いており、今後の感染拡大への影響が懸念されています。
親戚同士の交流も制限緩和
アラブ首長国連邦のドバイでは、外出を警察による許可制にしていました。しかしながら、規制緩和を行い、警察の許可なく近隣の家族や親せきを訪問できるようにし、5人までなら家族での集まりも認められています。 ラマダンでは家族や親せきが集まり、抱きしめ合い握手をする機会でもあるため、親戚同士の交流についても制限が緩和されたことで、感染リスクの高まりが心配されています。
約1ヵ月に渡るラマダンの影響は?
新型コロナウイルスへの感染者拡大が続く中で、イスラム圏の国々ではラマダンに合わせて規制緩和の動きが出ています。 そのため、集団礼拝はいまだに禁じられているものの、家族や親戚との交流によって新型コロナウイルスの被害が拡大することが懸念されています。