もくじ
香港に国家安全法が導入へ
1分でわかるニュースの要点
-
中国の全人代で香港国家安全法が制定された
-
中国政府が香港反共産党活動を禁止できるようになった
-
一国二制度を骨抜きにするとして香港やアメリカが反発
香港デモの行く末は。デモの原因や理由を踏まえ現状をわかりやすく解説。2018年に台湾へ旅行中の香港人カップルの男が、相手の女性を殺害したことで始まります。男は香港で逮捕されますが、「逃亡犯条例」が適用され事件の起きた台湾に引き渡すことが出来ませんでした。そこで、香港は逃亡犯条例を改正しようとしますが、香港の「一国二制度」が揺らぐとして香港の反対派がデモ活動を始めました。
天安門事件から30年たった中国。香港デモの現状と中国の向かう先は?「天安門事件」は1989年6月3日未明に、民主化を求める民衆を武力行使により弾圧しようとした中国政府による紛争事件です。「天安門事件」では多くの死傷者が出ましたが、中国政府によるもみ消しにより正確な数は把握できていません。また、中国国家は民主化運動の再燃を恐れ、事件後は徹底した監視体制を敷いており民主化の実現は極めて困難になりました。天安門事件について説明します。
中国の全人代で香港への国家安全法の採択
5月28日、習近平国家主席も出席した全人代(日本の国会と同様の機関)は香港国家安全法の制定方針を決議し、約3000票の賛成多数で可決しました。反対は1票、棄権は6票でした。 香港国家安全法は、正式には「香港特別行政区における国家安全保護に関する法律制度」です。 これによって中国政府が直接、香港の反政府活動や反共産党デモなどを禁止できるようになります。香港では一国二制度で自治権が認められていますが、それを無視する形となるため、当事者の香港やアメリカが反発を強めています。
香港では反発が強まる見通し
香港国家安全法は事実上、香港の自治を無視して中国政府が直接、民主化や反共産党デモなどの反政府運動を規制する法律です。この中国の動きに対して、自主性を重んじる香港と民主化を支援するアメリカが反発を強めています。 また香港国家安全法制定に先立つ24日、香港では激しい抵抗活動が発生し、200人以上が逮捕されました。実際に施行されるまでに、さらなる反発が起きると予想されています。
過激化する香港デモが背景に
香港国家安全法制定の背景には、過激化や大規模化する香港デモの影響があります。中国政府は1997年の香港返還以降、香港を完全に取り込もうとしてきましたが、反対デモによって阻まれてきました。