1分でわかるサーキットブレーカー
サーキットブレーカーは市場の安定化を図る強制措置
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株式相場の大きな変動を安定させる目的
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具体的には株式市場の取引停止や制限値幅を実施
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1987年のブラックマンデーがきっかけで誕生
サーキットブレーカーの役割
サーキットブレーカーの大きな役割は、「株式相場の安定化」「投資家への冷静な判断の促し」を実施することです。急激な株価の変動による、株式市場および世界の混乱を防ぐ目的があります。
ブラックマンデーを受け導入
サーキットブレーカー制度の起こりは、1987年10月19日に発生した世界同時株安、ブラックマンデーが要因となっています。世界中が大混乱したという重い結果を受け止め、ニューヨーク証券取引所にて導入されました。 日本では1994年2月14日より、東京証券取引所と大阪証券取引所にて取り入れられています。
株式市場の大幅な変動時に発動
先物市場・オプション市場等の株式市場にて、株価相場に一定以上の変動が見られた場合に発動します。「このまま株の売買が続くと経済に多大な影響が出る」と判断されたとき、取引の中断および停止処置が取られます。 とくに将来的な売買を視野に入れた先物取引における、過度な価格変動や先行を抑える効果が大きいです。
取引停止で過度な株価上下を防ぐ目的
強制的な取引中断および停止処置を取ることで、一時的とはいえ市場の過熱や株価上下変動を防ぐことにつながります。 また強制的な取引中断は、投資者に冷静に考える時間を与えます。一度間を置かせ、投資家たちの市場に対する不安心理や過度な焦燥感を鎮め猶予を与えます。投資家に「大局を見る冷静さ」を取り戻させることも、サーキットブレーカーの目的です。
世界各国でサーキットブレーカー同様の制度が存在
サーキットブレーカーとは世界標準で一律決まっている制度ではなく、各国で類似した同様の制度が存在します。 例えば、日本のサーキットブレーカーは先物とオプション取引にだけが対象で、現物株式にはサーキットブレーカの制度は適用されません。さらに東京商品取引所では、「ダイナミックサーキットブレーカー(DCB)」「スタティックサーキットブレーカー(SCB)」の2種類に制度が存在します。
日本でも度々取引停止を行なってきた
サーキットブレーカーの発動はコロナの影響に限った話ではなく、過去に日本でも度々取引停止処置が取られました。 「アメリカ同時多発テロ」「リーマンショック」「東日本大震災・原発事故」「日本銀行のマイナス金利」など、日本の経済に大きな影響を及ぼす出来事が発生したときに、サーキットブレーカーが発動されています。
コロナショックによりアメリカで3回サーキットブレーカー発動
2020年のコロナショックの影響は非常に大きく、アメリカでは3月中ですでに3回のサーキットブレーカーが発動されています。終息の兆しはまだ見えず、以前予断を許さない状況です。 始めはアジア圏での広がりが中心でしたが、ヨーロッパやアメリカでも猛威をふるい始めました。先進国での蔓延は、今後の世界経済に暗い影を落としているのが現実です。 今後は日本も投資家だけでなく、普段は株式に注目していない人も市場動向を追い、新情報や世界情勢に注目する必要があるかもしれません。