韓国ソウルのクラブで新型コロナ集団感染。外出自粛解除後の出来事から日本が学べることとは？

韓国ソウルのクラブで新型コロナ集団感染

1分で分かるニュースの要点

韓国ナイトクラブで集団感染起きる
学校再開延期や地下鉄内のマスク着用を義務付け
日本では39県が緊急事態宣言を解除

宇都宮のコロナ患者受け入れホテルの火災が放火の可能性。海外でも検査施設が破壊されるなど近隣住民の心理。栃木県宇都宮市にある軽症者の宿泊療養を受け入れたホテルで火災が発生しました。火災の状況から放火の可能性も浮上しています。コロナ関連施設では非人道的な事件が発生しています。今回はコロナ関連施設における非人道的な行為の背景に迫ります。

外出自粛解除後の集団感染

韓国ソウルの繁華街イテウォンにあるナイトクラブに集まった客の中から新型コロナに感染している人が多数見つかり、14日現在で分かっている感染者は133人に上っています。韓国の新規感染者数は2月29日の916人をピークに減少し、今月13日には29人にまで減少していました。韓国では今月6日に外出自粛要請を解除していましたが、国民の中にはそれ以前から外出を始めた人も多く感染拡大が懸念されていました。

すでに二次感染も確認

ナイトクラブにはおよそ2,000人の客がいたと見られており、韓国当局は携帯電話履歴から入店していた客の所在を調べています。しかし既に二次感染したと思われる人が複数確認されており、インチョン（仁川）の学習塾の講師や生徒、またナイトクラブとは別の場所にある飲食店で食事をしていた外国人3人の感染が確認されるなど近隣市民の不安が広がっています。

集団感染の発覚で新たな規制も

今般の新たな集団感染を受け韓国政府は外出自粛などの規制再開の検討を始めており、13日以降から予定していた学校の再開を1週間延期すると発表しました。またソウルの地下鉄ではマスクの着用を義務付け、未着用の場合は乗車を認めない対策を取っています。

学校の再開が延期

ナイトクラブでの集団感染の事態を重く見た政府は13日以降から予定していた学校再開を1週間延期すると発表しました。また今後の感染拡大の状況によってはさらに延期する可能性があるとしています。首都ソウルでは生徒の安全を確保するため、今月11日から保健当局者が学校の教室などの消毒を行い再開に備えていました。

マスクの着用を義務付ける場所も

外出自粛前には殆どの人がマスクを着用していましたが、自粛が解除されてからは未着用の人が増え始めたため、政府では第二波を懸念してマスクの着用を呼びかけていました。また地下鉄の利用者にはマスクの着用を義務付け、従わない乗客には乗車を認めない対策を講じています。さらに京畿道（キョンギド）や仁川では、週末のナイトクラブ等密閉された店舗の閉鎖を命じています。

日本でも起こりうる外出自粛要請終了後の集団感染

安倍晋三首相は今月4日に会見を開き、特定警戒都道府県以外の39県については感染防止策を講じることを前提に事実上外出自粛の解除を認めました。しかし今般の韓国での集団感染を受け、外出自粛後の集団感染を危惧する向きも見られています。

39県で緊急事態宣言を解除する方針の日本

安倍晋三首相は緊急事態宣言を5月31日まで延長すると発表しましたが、13の特定警戒都道府県以外の39県については感染防止策の徹底を条件に外出自粛を容認すると述べました。政府は自治体に対して外出自粛を解除し、段階的に社会・経済活動の再開を検討するよう求めています。これを受け39県の中には飲食店の営業時間の短縮やアルコール提供時間の制限などを撤廃する自治体が増え始めています。

解除後もソーシャルディスタンスを守ることが重要に

疫学の専門家は緊急事態宣言解除後のリバウンドを警戒するよう注意を呼び掛けており、引き続きソーシャルディスタンス（社会的距離）を守ることの重要性を訴えています。厚生労働省は密集、密接、密閉の三密を避けることや、マスクの着用と手指の消毒の継続を推奨しています。新型コロナ感染拡大によって生活様式の変化が起きることも予想されており、早期の治療法の確立が待たれています。

韓国総選挙は与党が圧勝し過半数を獲得。新型コロナへの対応が評価された形。今月15日、韓国で4年に1度の総選挙（定数300議席）が行われました。選挙前の下馬評通り左派党の文在寅（ムンジェイン）大統領が率いる「共に民主党」と同党と連携する「共に市民党」らが議席の過半数に当たる180議席を獲得し圧勝しました。　　　

バーや居酒屋が危機的状況。協力金も足りずすでに閉店に追い込まれるお店も。7日に発令された緊急事態宣言により、多くの店が自粛要請を受けて危機的状況に追い込まれています。中には既に閉店してしまった店もあり、政府による協力金だけでは経営困難なところがほとんどです。もし救済措置が取られず、この状況が長期化すれば閉店する店はさらに増えると考えられます。