遂にブレグジットへ動き出す。
ブレグジットでどうなるイギリス
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ブレグジット関連法案可決
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離脱交渉はまとまるか
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スコットランド独立の動きも
保守党の勝利でブレグジットがほぼ確実に
イギリスのボリスジョンソン首相は2020年1月末までのブレグジット(イギリスのEU離脱)を公約していましたが、12月12日の総選挙で与党の保守党が勝利して離脱をほぼ確実にしました。 12月20日には下院が離脱協定案の関連法案を可決し、クリスマス休会明けの1月9日に法案全体の承認手続きが完了する予定です。 2016年6月に国民投票でEU離脱が支持されて以降離脱手続きが進められず混迷が続きましたが、ようやく混迷に終止符が打たれそうです。
期限は2020年1月
ボリスジョンソン首相が公約している2020年1月31日の離脱期限は欧州理事会の決定によるものです。 2019年10月にボリスジョンソン首相はEUは新しい離脱協定案をまとめましたが、イギリス議会はこの案を認めませんでした。そこで2019年10月末期限に離脱が間に合わなくなったイギリス政府の求めでEUは3か月の延期を認めました。 今回離脱協定関連法案が可決され1月末までのEU離脱が確定的となりました。
スコットランドはEU離脱に反対の姿勢
スコットランドは2016年の国民投票でEU残留派が6割を占めた地域です。 スコットランド自治政府首相のニコラスタージョン氏もイギリスがEUを離脱すればスコットランドはイギリスから独立してEUへの加盟すると主張しています。詳細を以下で見てみます。
イギリスから独立も視野に
EUからの離脱は2016年6月の国民投票で決まりましたが、この時にスコットランドでは6割以上が残留を支持していました。 この結果を受けてスコットランド自治政府首相のニコラ・スタージョンはイギリスがEUを離脱すればスコットランドはイギリスから独立してEUに加盟することを示唆しています。 スコットランドの独立を問う法的に有効な住民投票を行うにはスコットランド議会の承認が必要です。2014年に実施された国民投票では反対が55%を占めて否決されました。
スコットランド首相は住民投票を公約に挙げる
スコットランドでは2021年に選挙が予定されています。ニコラスタージョン首相はスコットランド民族党がスコットランド議会で過半数を占められれば、独利するか否かを住民投票で決めるとしています。 住民投票を行うにはイギリス議会の承認が必要で、ニコラススタージョン首相は議会の承認を求めていく方針です。 これに対して2017年に同じような要請を拒否したイギリス政府は今後もスコットランドからの要請を拒否するとしています。
EU離脱後の交渉
イギリス政府はEU離脱後EUと自由貿易協定(FTA)の交渉に入りますが、2020年末までに協定を締結する必要があります。 協定が締結できない場合、合意なき離脱と同様な事態を招く恐れもあります。以下で詳細を見てみます。
移行期間
イギリスがEUを離脱した後、英国とEUは離脱前の状態が維持される2020年末まで移行期間に入ることになっています。 移行期間はEU離脱に伴うイギリスの経済・社会の激変を緩和するのが目的で、最長2年の延長も可能です。 この間にイギリスとEUが関税や輸入割り当てなど貿易を制限する自由貿易協定(FTA)を締結・発効できない場合、イギリスとEUの貿易には関税がかかることになります。