アメリカFRBがゼロ金利政策
1分でわかるニュースの要点
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FRBがゼロ金利政策を導入へ
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FRB発表後もニューヨークダウの下げは止まらず
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感染拡大収束まで市場は不安定な状態続く模様
1%の利下げで2008年以来のゼロ金利政策
FRBは15日に緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、直近の政策金利1.75%から1.0%引き下げ事実上のゼロ金利政策を導入すると発表しました。 ゼロ金利政策は2008年に起きたリーマン・ショック後に導入して以来4年目ぶりで、FRBは米国債を大量に買い入れる量的緩和も同時に行い市場の低迷を下支えする方針です。
トランプ大統領はFRBの利下げを評価
トランプ大統領もこのFRBの利下げを歓迎する声明を出しています。トランプ政権とFRBの間では政策金利の引き下げを巡って議論が続いており、今回の引き下げは政権側が主張する政策が反映された形となりました。 一方、市場では実体経済に悪影響が出るのではといった懸念が残っており、更に投資家の不安心理が強まるのではといった疑問の声が上がっています。
ゼロ金利政策で市場安定は可能か?
FRBは2008年に起きたリーマン・ショック後の金融政策が米経済を早期に立て直したと分析しており、世界経済もこれにけん引される形で復活したとしています。この度のFRBのゼロ金利政策によって市場が安定するかは不透明ですが、FRBはあらゆる金融政策を導入し経済を支える方針を示しています。
大幅な下落が続いているニューヨークダウ
ニューヨークダウは3月10日に24939.35ドルから、13日にトランプ大統領が国家非常事態宣言を発令したことを受け21328.23ドルまで大幅に下落しました。 FRBの金融緩和政策についても市場は既に織り込み済みで、16日(現地時間)の取引開始から一時1000ドル超まで下げる場面も見られ、投資家は新型コロナウイルス感染拡大の影響は金融政策では解決できないと見ている模様です。
マイナス金利には否定的なFRB
FRBのジェームス・パウエル議長はマイナス金利には否定的な発言を続けており、この度の金融政策でも導入を見送りました。同氏はマイナス金利を求めるトランプ大統領と対立する姿勢を見せており、会見でもマイナス金利は適切ではないと述べています。 FOMCは新型コロナウイルス感染拡大が収束するまではゼロ金利政策を維持する考えを示しており、これにより景気回復と労働環境が改善することを期待している模様です。
新型コロナウイルス終息まで先が見えぬ経済
ジェームス パウエル議長は、新型コロナウイルス終息まで先が見えぬ経済が続くだろうと改めてFRBとしての考えを示した上で、4月∼6月の米国経済成長は低迷するだろうとも述べています。 日本銀行もFRBの発表を受け16日午後に緊急会合を開き、年6兆円の購入を目標としてきたETF(上場投資信託)を12兆円に倍増させる方針を明らかにしました。しかし、政策金利については現状を維持するとしています。