黒川検事長に麻雀賭博報道
1分でわかるニュースの要点
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黒川検事長がGW中に賭け麻雀をしていた
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黒川検事長は検察庁改正法の騒動で渦中の人だった
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黒川検事長は辞意を表明し、訓告処分となった
新聞紙の記者と外出自粛期間に麻雀賭博をしていた黒川検事長
週刊誌「週刊文春」の記事ならびに法務省の行った聞き取り調査で、黒川弘務検事長は5月中に少なくとも2回、賭け麻雀を行ったことがわかりました。 賭け麻雀が行われた日時は5月1日と13日でした。「週刊文春」の記事によると、黒川弘務検事長はハイヤーで送迎されて、産経新聞記者の自宅マンションを訪問したようです。 黒川弘務検事長が記者と賭け麻雀をするのは通例という話もあり、以前にも今回同様の賭け麻雀が開催されていた可能性が示唆されています。
賭け麻雀を認めて辞任へ
黒川弘務検事長は法務省の聞き取り調査で、賭け麻雀の事実を大筋で認めました。法務省は21日中にも処分を発表するとしていましたが、それに先駆ける形で黒川弘務検事長は21日夕方、辞表を提出しました。 森雅子法相は辞表を受け取り、黒川弘務検事長を訓告処分としたと明かしています。訓告処分は今後、閣議で正式決定する見通しです。 過去に行われた賭博にまつわる倫理規定違反の処分では、戒告以上(懲戒免職など)とされるのが通例でした。訓告は比較的軽い処分であり、退職金が満額支給される可能性があるため、森雅子法相の処分には疑問の声も出ています。
検察庁法改正案への影響は?
第4次安倍内閣は今国会で、検察庁法改正案の成立を目指していました。検察庁法改正案はSNSを中心として、芸能人なども声を上げた反対運動が巻き起こったことで、改正は先送りされました。黒川弘務検事長は反対運動で槍玉に挙がっており、今回の辞任が検察庁法改正案に影響する可能性があります。
ツイッターなどを中心に非難が出ていた検察庁法改正案
検察庁法改正案は国家公務員法の一部を改正し、定年を65歳まで段階的に引き上げると同時に、政府の要請で定年の人物を続投させる特例を法案化するものでした。 定年の引き上げはともかく、特例の明記は検察の人事に政府が介入する事態を招きかねないため、問題視されました。 反対の声はツイッターを中心としたSNSで上がり、約900万件の意見が集まっています。小泉今日子やきゃりーぱみゅぱみゅなど、多数の有名芸能人が反対したことでも話題となりました。
今回の報道を機に法案改正が頓挫する可能性も
第4次安倍内閣は検察庁法改正案を今国会中に成立させる予定でした。しかし多数の反対意見に押される形で、成立は次期以降の国会へと見送られました。 黒川弘務検事長は検察庁法改正案が実現すると、政府にとってもっとも恩恵のある人物といわれていました。 検察庁法改正案はすでに見送られていますが、今回の黒川弘務検事長の不祥事をきっかけとして、法案改正自体が頓挫する可能性があります。
黒川検事長の今後は?
黒川弘務検事長は辞表を提出しましたが、騒動はまだ終わっていません。賭け麻雀が賭博法や他の刑法に抵触するおそれがあるため、今後刑事裁判に発展する可能性が高いです。もしそうなれば検察庁や政府への影響は少なくないでしょう。
賭博法に抵触するとの指摘
森雅子法相は賭け麻雀を認めた黒川弘務検事長について、賭博罪に抵触する可能性があると明かしました。しかし「週刊文春」の記事が正しければ、さらに重い罪になるかもしれません。 黒川弘務検事長は今回問題となった賭け麻雀以前にも、多数の新聞記者と複数回にわたって同様の行為を行っていた可能性があります。そうなると罰金だけで済む賭博罪ではなく、最高で懲役3年となる常習賭博罪に問われることになるでしょう。 また賭け麻雀の参加者が、故意に黒川弘務検事長を勝たせる接待を行っていた可能性もあります。その場合は賭博罪ではなく、さらに悪質な収賄罪となるのではと見られています。